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[事業報告]北海道アウトドアフォーラム2018

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約8分

はじめに

10/23-25の3日間、国立日高青少年自然の家で「北海道アウトドアフォーラム2018」を実施しました。
今年で4回目を迎えるフォーラム、今年は「つながり、その先へ」をテーマに、様々なチャレンジに取り組みました。

今年のチャレンジ

  • 最も大きなチャレンジは、これまで1泊2日で実施していたフォーラムを、2泊3日にしたこと
  • 2つめのチャレンジは「参加型」フォーラムの実現
  • 3つめは事務局業務の分業制の導入

 最も大きなチャレンジは、これまで1泊2日で実施していたフォーラムを、2泊3日にしたこと日程を延ばすことでコンテンツの数も増加し、これまで以上の成果が期待できる一方、運営にかかる労力が増え、スタッフや参加者の日程確保が難しくなることが予想されました。しかし、結果的に昨年には及ばなかったものの、過去2番目に多い181名の参加者を得ることができました。また、テーマ別の情報交換会や全体ワークショップといった新たなコンテンツを導入しました。その結果、参加者同士の交流の時間が増えて、いままでにない一体感を感じることができました。

 2つめのチャレンジは「参加型」フォーラムの実現プレゼンテーション、ワークショップ、展示ブースなど、特別講演以外のコンテンツは基本的に一般公募で募集しました。ワークショップは全22テーマ(34コマ)のうち10テーマ(16コマ)を実行委員が担当しましたが、プレゼンテーションは予定よりも多い18タイトルのエントリーがありました。また、展示ブースも過去最高の24団体が出展し、アウトドアメーカーや食品会社など、企業ブースの出展が多かったことも今年の大きな変化でした。

 3つめは事務局業務の分業制の導入。これまで、自然の家が一括で担ってきた事務局業務を、渉外(コンテンツ調整、実行委員運営、SNS広報等)と施設マネジメント(申込み受付、施設調整、食事・備品手配等)に分業し、渉外業務を自然考房 Nature Designingで受託するという形をとりました。また、当日の運営についてかなりの部分を実行委員にお願いして実施しました。その結果、事前の情報共有の方法については課題が残りましたが、事業内容の充実や、自然の家職員の負担軽減、事業の自立継続性の確保といった成果を得ることができました。

特別講演

国際的な山岳スキーヤーであり、国際山岳ガイドでもある佐々木大輔氏(ガイド盤渓)を講師に招き、「スキー大滑降と山岳ガイド~冒険と日常~」というテーマでお話しいただきました。
「遊び」に真剣に取り組んだ幼少期から、山岳スキーヤーとしての実力を磨いた20代、数々のスキー大滑降や冒険にチャレンジした30代を経て、国際山岳ガイドとしての仕事に従事しながら、デナリ大滑降という集大成ともいえるチャレンジを成し遂げた40代まで。現在に至る道筋や、そこでの経験から得た哲学について、身震いするほど美しく、かつ苛烈な写真や映像と共にお話しいただきました。そのまっすぐな生き方や、冷静に自分を評価し、困難にも前向きに取り組む姿勢には、尺度は大きく違えども、同じくアウトドアという領域に関わる者として大きな刺激を得ました。

プレゼンテーション

全体をふたつの会場に分け、それぞれ9タイトル、計18タイトルのプレゼンテーションを実施しました。テーマは「地域間連携」「野外保育」「地域資源の活用」「震災支援」「水難救助」「専門学生の就職」など様々。10分という短い時間の中にエッセンスを凝縮し、テンポよく発表を行いました。
10分間ですべてを伝え、理解することは困難ですが、プレゼンターは短い時間で多くの参加者に関心を持ってもらうことができ、参加者はその後の情報交換会で、興味を持った内容のプレゼンテーターと意見交換を行うなど、交流や連携のきっかけとして重要なコンテンツになっています。

選択ワークショップ

80分を1コマとし、2日目に4枠、3日目に1枠の計5枠34コマで実施。テーマは実に22タイトル(80分16タイトル、160分6タイトル)にのぼりました。

参加者は1枠に6~7種類あるテーマの中から希望のワークショップを選択し、各ワークショップの担当ファシリテーターの進行のもと、体験や講義、ディスカッションなど様々なスタイルのワークショップに参加しました。
テーマは「環境教育プログラム」「アドベンチャートラベル」「防災教育」「若手研修会」「野外救急法」「大学との連携」など。特筆すべき内容として、弁護士による「旅行業法」についてのワークショップや、プロガイドによる「地図読み」「ノルディックウォーキング」といった実践的な内容が新たに加わりました。

選択ワークショップの様子(野外災害救急法)
選択ワークショップの様子(ノルディックウォーキング)

展示ブース

これまで屋内の研修室(オリエンテーション室)で実施していた展示ブースを、オリエンテーション室、プレイホール、屋外の3か所に分け、活動内容の紹介や商品等の展示を行いました。
特に、テントやウェアなどアウトドアメーカー5社をはじめとする実物展示はこれまでにない充実ぶりで、キャンピングカー、水上オートバイ、SUP(スタンドアップパドル)ボード、カヤックなどの展示と合わせ、迫力ある空間が実現しました。

メイン会場との距離や過密なスケジュールなど、改善すべき点もありましたが、多くのアウトドア関係者とゆっくり意見交換や交流ができ、今後につながる内容だったという評価もいただきました。

活動発表&情報コーナー

オリエンテーション室の一角に「情報交換ボード」を設け、イベント情報や人材募集などの告知スペースとして活用しました。特に、人材募集についてはアウトドアを専攻する専門学校生や大学生の参加もあり、人材を求めている事業者とのマッチングの場として貴重な機会になっています。また、手持ちの資料を自由に設置できる資料コーナーも設けました。

情報交換会

1日目

1日目の夜は例年通りくじ引きでランダムに座席を配置し、分野が異なる参加者との交流を促しました。また、各テーブルにはコーディネーターとして実行委員を配置し、交流を希望する分野の関係者を紹介するなどして、より深い交流の促進に取り組みました。さらに、団体PRの時間を設け、事務局が推薦する団体や有志の団体紹介を行いました。

2日目

2日目は「アウトドアギア」「ウェア」「食と農」「子育てと教育」といったテーマに分かれ、より近い分野の関係者との交流を促しました。また、会場を食堂から展示会場であるプレイホールに変更し、出展企業や団体との交流を図りました。さらに、屋外にたき火とBarのコーナーを設け、様々なスタイルでの交流の場を設けました。結果的に、参加者の交流がより深まり、最終日へ至る参加者の一体感を醸成する機会となったと感じています。

全体ワークショップ

最終日の全体ワークショップでは、3日間のフォーラムのまとめ作業として、5~6人のグループに分かれて「3日間で出会った人、学んだこと」「新たにやってみたいこと」というテーマで意見交換を行いました。そして、最後に「明日、自分の場所に帰って取り組むこと」というテーマで個人の行動目標を作成し、グループのメンバーに発表して決意表明を行いました。

これまでのフォーラムでは、1泊2日の限られた時間の中で、学び、つながるというところまでは達していましたが、学びを整理し、自分の日常(行動)に落とし込むというところまでは至っていませんでした。そういう意味では、2泊3日の時間があったことで学びがより深まり、この全体ワークショップによって「つながり、その先へ」という今年のテーマを達成することができたと感じています。

エピローグ ~ つながり、その先へ

多くのチャレンジに取り組んだ今年のフォーラムでしたが、今年も多くの参加者を得ることができ、実行委員の皆さまの献身的な協力と、参加者の皆さまの積極的な参加姿勢のおかげで、当初の目標を超える成果を得ることができました。心より感謝申し上げます。
しかし、北海道アウトドアフォーラムの取り組みはこれで終わりではなく、むしろ新たなスタートだと考えています。フォーラムを通じて築かれたつながりがネットワークに昇華し、新たな事業や行動へと具現化することで、フォーラムは真に成功したと言えるからです。
事務局としては今後、12月の実行委員会に向けて今回のフォーラムの成果や課題を整理し、年度内に実施する地域ミーティングや関係者ミーティングにて、その成果をさらに拡げていく予定です。また、若手研修会やアウトドア女子会、その他新たに誕生するであろう事業者間ネットワークを支援し、引き続き道内のアウトドア事業の盛り上がりに貢献していきたいと考えています。
今回のフォーラム期間中、新たに5名の方から「次年度は実行委員として関わりたい」という意思表示をいただきました。今後、関係者ミーティングを経て次年度体制を構築していきますが、実行委員や参加者ひとりひとりの積極的な関わりによってフォーラムが運営され、その関わりが大きいほどメリットも大きい、そんな場にしていきたいと考えています。
今後も引き続きご協力、ご参加のほどよろしくお願いいたします。

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