アウトドアに関わる仕事は、多岐にわたります。将来、指導者として、ガイドとして、経営者として、アウトドアに携わろうと考えている皆様へ、現役スタッフの声をお届けする「OB/OG訪問」
いろんな人がいて、いろんな形がある。
アウトドア業界へ、ようこそ。
今回は、富良野自然塾で活動する中島吾郎さんが現在ここに至るまでの道筋、そして今を教えていただきました。
#環境教育 #子ども #森づくり #自然体験 #富良野 #北の国から
『北の国から』との出会いから、北海道、子どもたちへ。
富士山の麓にある静岡県富士市で生まれて育ちました。海も川も山も身近で、サッカーと自然体験が小さい頃の思い出です。中学生の頃、TVドラマ『北の国から』と出会い、その世界観や自然観に大きな刺激を受け、いつか北海道で暮らしてみたいという漠然とした思いを抱えながらも、大学を出て地元に戻って就職するという、ごく一般的な20代を過ごしました。
30歳になった年、『北の国から』の作者である倉本聰が「富良野自然塾」という環境教育と森づくりを主にした事業を始めるということを知りました。ちょうどその頃、友達や妹に子どもが次々と産まれ、その子たちが皆とても可愛くて仕方なく、「この子たちの未来のために仕事をしたい」という思いが後押しし、サラリーマンをやめ、富良野に移住し、この世界に飛び込みました。
「地球は子孫から借りているもの」というネイティブアメリカンの言葉を大切にして、木を植えたり、子ども達に自然の大切さや地球の歴史を伝えたり、キャンプイベントを興したり、自然を題材にした教育プログラム(学生向け、社会人向け)を構築したり、と、あっという間に15年が過ぎようとしています。
コロナ禍の今だからこそ、そして未来に向けて。
「森」と「人」を繋ぐ役割にやりがいを感じています。特にこの2年、コロナ禍で沢山の方が自宅待機・行動自粛を強いられてきました。そんな人たちに「週末は森へ」「とりあえず森で」という単純なメッセージを込めて、地域の子ども向けの森遊びイベント・森の中にアート作品展示・森の中でヨガやスパなどの企画のほか、テレワーク需要拡大に伴う「アウトドアミーティング」の可能性を富良野市と連動して進めています。
最近、強く感じていることは「ここに来る子たちは、その時点で恵まれている」ということです。子ども達が自然体験活動に参加するには、家庭の経済的な問題や、物理的な距離の問題や、何より保護者の理解が必要となります。
「本当は自然体験をしてみたいのに出来ない子ども」が、一人でも減るような活動や体制づくりをしていきたいです。
中島吾郎
NPO法人富良野自然塾
1977年静岡県生まれ。2007年よりNPO法人富良野自然塾に勤務。現、同理事。北海道立富良野高校非常勤講師。 閉鎖されたゴルフ場を元の森に還す自然返還事業と環境教育事業の傍ら、自然環境を活かしたコミュニケーションやチームビルディングのワークショップ、地域と連動したワーケーション受け入れ、プログラムの全国展開などに奔走する日々。
Comment On Facebook