アウトドア体験の効果って何?

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アウトドア体験と学び

ファシリテーター
山田亮・武田丈太郎(北海道教育大学岩見沢校、NPO法人北海道教育大芸術・スポーツ文化研究所)

HON札幌ミーティング2025 プログラム「アウトドア体験の効果って何?」

アウトドア体験プログラムが参加者にもたらす効果にはさまざまなものがあります。

自然環境は絶えず変化しています。人間はその自然環境を、身体活動だけではなく、知的活動や情意的・文化芸術的活動等により、五感(五官)を通じて体験し、様々な刺激を受けることで、「地球・自然」「自分自身」「周囲出来事・他存在」の観点から成長することが、これまでの研究からも明らかにされています。

「リアルな自然体験で起こることを、学校で再現する」考え方とアクティビティであるプロジェクトアドベンチャーでは、体を動かす楽しさや自然を感じること、課題解決や協力、成功体験が人間の成長を促します。また、公益社団法人日本キャンプ協会が、野外教育活動を評価するための尺度をまとめた「キャンプのものさし」(2006)を発刊するなど、体験の目的の設定と効果を測る方法の模索が続いています。https://camping.or.jp

今回のワークショップでは、上記の情報や教育行政の方向性等が紹介された後、参加者各自が指導するアウトドア体験における参加者の変化とそれをもたらした、自然環境やプログラム等の要素をふりかえり、グループで共有しました。

参加者同士の熱心な意見交換の中、ワークショップの終盤では、アウトドア体験と学びに関わる幅広い取り組みが共有され、旅の効用を科学的に検証し旅を通じた学びの機会を創出する共創型プラットフォーム「旅と学びの協議会」等についても紹介されました。

プログラム参加者の声

参加者に対して最後に「今後、必要とされる野外体験の学びとは?」といった趣旨の問いかけがなされましたが、必ずしもスッと意見を出せる人が少なかったことが印象的でした。「いま必要なこと」は明確であるかもしれませんが、「今後必要なこと」を想像することは難しいように思いました。もしかすると最後の問いかけは、「未来を想像するための学び」なのかもしれません。

アウトドア体験は、様々な要素によって、人間の成長に結び付いています。体験が単なる体験に終わるのではなく、どのように考えて体験をプログラムするのか、そしてその効果をどのように測り、評価するのか。野外教育やアウトドアの関係者がともに、これから必要とされることを見据えながら検証していくことが、アウトドア体験の価値を高めることにもつながると考えます。

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北海道アウトドアネットワーク.jp事務局HON
北海道アウトドアフォーラムをきっかけに誕生したサイトを運営しています
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