このショートコラムでは「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」に関する情報をひとつずつ紹介し、特に「北海道アウトドア」との関わりから、その意味や活用策を考えます。
#01 SDGsという言葉を聞いたことがありますか
あなたはSDGsという言葉を聞いたことがありますか。聞いたことがあるという人は、SDGsをどのようなものとして認識されていらっしゃるでしょうか。SDGsは国連サミットで2015年9月に採択された後、日本国内では2018年以降、急速にマスコミで取り上げられるようになりました。国内の様々な機関が行っている調査によれば、一般的には2018年に概ね20%から30%だった認知度が、2年後の2020年には半数近くにまで高まっています(注1)。
調査の時期や対象地域によって数値に違いがあるものの、学校で情報に触れる機会のある10~20代の認知度が他の年代よりも高い傾向があります。この世代には、自分たちの将来に関わることとして、SDGsの考え方に共感を示している若者が多く存在します。また、経営層が関心を持ち、積極的に取り組んでいるという企業がある一方、中小企業がほとんどを占める国内企業の約3割はいまなお、SDGsについて「知らない・分からない」状況であるという調査結果も公表されています。
SDGsに関する情報が、国内では徐々に目に付くようになったとはいえ、世界的には決して進んでいるわけではありません。2019年8月に公表された、世界経済フォーラムによるSDGsの認知度調査において「聞いたことがない(Have not heard of them)」と答えた割合は、調査対象の28か国の平均は26%でしたが、日本は51%でした。英国や米国とともに認知度が最も低いグループに属しています(注2)。
次回は「SDGsの基礎知識」、第3回は「SDGs採択の背景」として、なぜ世界がSDGsに注目しているのかを紐解いていきます。
(注1)例えば、札幌市が2020年1~2月に実施した「温暖化対策推進に関する市民アンケート調査結果(2019年度)」では、SDGsについて「全く知らない」と回答した市民の割合は53.7%となっている。(札幌市「第11次札幌市環境保全協議会第7回会議」参考資料別添2、PDF:10,069KB)
https://www.city.sapporo.jp/kankyo/kyogikai/the11th/dai7/documents/06-02sankousiryoubettenn2.pdf
これに対し、北海道が2018年8月に調査を行った「平成30年度道民意識調査」では「知らなかった」と回答した人は69.9%だった。なお北海道は、2021年8~9月に実施予定の「令和3年度道民意識調査」において、再度、SDGsをテーマに取り上げる予定。
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/ishiki/H30chosakekka.html
(注2)世界経済フォーラム(World Economic Forum)News Releases, 23 Sep 2019
https://www.weforum.org/press/2019/09/global-survey-shows-74-are-aware-of-the-sustainable-development-goals/
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